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研究紹介

平成27年度~29年度3ヵ年研究

「卒後を見据えたキャリア発達を促す指導法の研究

~協同学習と生活指導の充実を目指して~」


 本校では、平成24年度から研究主題を『社会の変化に対応できる力を育てる実践的研究~「今養版キャリア教育」の創造を目指して~』とし、3カ年計画で第6次研究に取り組みました。その中で、次のような研究を行いました。

  • キャリア発達に関わる諸能力について、4領域8能力を参考にしながら、本校の生徒の障がいや発達の状況、課題の特徴を踏まえ、独自なマトリックスとして「今養版キャリアプラニングマトリックス」をまとめました。
  •  「今養版キャリアプラニングマトリックス」を活用して、生活単元学習と作業学習を中心に新たな教育実践に取り組みました。
  • マトリックスに基づいた教育課程の見直し、生活単元学習における「心とからだの学習」の指導段階表についての授業計画や実際の授業を通した検証、卒業生の就労先へのアンケート調査や事例調査に基づいた指導課題の明確化、作業学習における評価様式と指導の在り方の見直しを行いました。
  •  これまでの研究成果の普及と中高一貫したキャリア教育の実現に資することを目的として『キャリア教育のすすめ』という冊子を発刊し、道南の各中学校の特別支援学級に配布しました。

 しかし、マトリックスが作業学習には使いやすいものの、生活単元学習では使いづらいなど、マトリックスそのものの見直しの必要性も指摘されました。
 また、進路指導部が卒業生の就労先を調査したところ、卒業生の課題として、「コミュニケーション能力の弱さ」や「生活の自己管理の弱さ」が挙げられており、このことへの対応が緊急な課題として浮き彫りになりました。
 そこで、今年度から「卒後を見据えたキャリア発達を促す指導法の研究~協同学習と生活指導の充実を目指して~」に3カ年計画で取り組むこととしました。
 知的障がい教育においては、生徒の学習上の特性として、学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく、実際の生活の場で応用されにくいこと、実際的な生活経験が不足しがちであることなどから、実際的・具体的な内容の指導がより効果的であると考えられています。また、個人が自分の認知に関して有する知識あるいは過程であるメタ認知に課題があるため、経験を振り返って点検・評価したり(メタ認知的モニタリング)、相手の状況に応じて目標や行動を修正したりする(メタ認知的コントロール)ことには課題があり、意図的・計画的なメタ認知に関する指導が必要です。コミュニケーション能力に関しても、実際的・具体的な内容を取り扱う場面でのコミュニケーションを必要とする課題や場の設定、学習活動の展開により、時間はかかっても生徒のコミュニケーション能力は高まっていくものと考えます。
 また、生徒が主体的に課題とその解決のための活動に取り組んでいるときこそ、学習経験が能力や知識・技能、態度などの確実な習得と形成につながります。
 アクティブ・ラーニングの一つである協同学習は、知的障がい教育の実践研究では多くは取り組まれてはいませんが、個々の生徒のコミュニケーション能力や思考力の実態を踏まえて、実際の具体的な課題について、説明し合ったり、話し合ったり、助け合ったり教え合ったりすることやメタ認知に焦点を当てた指導を展開することにより、コミュニケーション能力やメタ認知力は高まるものと考えます。


 今年度は、協同学習の考え方をどのように授業で活用するのかについて、授業の主担当者全員が授業研を通して実践的な検討を行いました。協同学習の授業作りは始まったばかりであり、研究紀要の内容を見ても十分ではない点が散見されます。課題となる事項については、来年度の研究において協同学習の観点からの授業作りの充実に努めて参りたいと考えます。  
 校内研究の推進に当たっては、引き続き本校の研究アドバイザーとして、北海道教育大学函館校の北村博幸准教授に、本校まで足を運んでいただき、重要かつ示唆に富む御助言をいただき、研究を推進することができました。深く感謝申し上げます。また、道内の特別支援学校の公開研究会に参加させていただいたほか、学校の視察も行わせていただくことができ、キャリア教育に関わる教育課程の編成や授業実践などについて多くのことを学ばせていただきました。改めて深く感謝申し上げます。
 本研究は、知的障がい教育におけるキャリア教育の創造という大きなテーマに協同学習の観点と生活指導の観点から迫ろうとするものです。また、これまでの実践研究の着実な積み重ねに基づいて現時点で整理することができた「今養の教育」の成果でもあります。是非、忌憚のない御意見と御助言をいただければ幸いです。また、今後とも本校への御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。


 平成28年3月

北海道今金高等養護学校長  髙 嶋 利次郎